こんにちは
有坂です。
先日、
通関士をしている友人と食事に行く機会があり色々と話をしていました。
お酒の力もあったとは思うのですが、
仕事の愚痴が出るわ出るわ…。
一緒に来ていた他の方もずーっと「本当だよ、そうだよ、ウンウン。」と言っていました。依頼する私たちも何かやらかしてるのかもしれないと思うとお酒も喉を通りません。
内容がコアなので同業の人間ですね。
有坂さんとお付き合いのある通関士さんの気持ちわかります。
Contents
通関士辞めたい理由を棚卸し
毎日の仕事に「もう辞めたい、嫌だ」という気持ちを持つ方は
通関士の方だけでなくたくさんいらっしゃるでしょう。
もう仕事が楽しくて楽しくて幸せ!なんて方を時々見かけるとなんて羨ましいことか・・・。
今あなたが通関士を辞めたいと考えているならやめる決断を下す前に
一度冷静になって今の状況を棚卸して見ませんか?
「辞めてやる!くそー!」思っているときは自分でも気づかぬうちに頭に血が上っている状態だったりします。
転職を考えているのであれば
転職して今の悩みが本当に解決するのか考えてからでも遅くはありません。
環境の変化はリフレッシュできる反面想像以上に負荷がかかることでもあります。
ちょっと一旦立ち止まって考えてみましょう。
理由① 一切のミスが許されない緊張感
通関士の仕事は一字一句間違いがないように正しく申告書を作成して税関に届け出なければならない細かい仕事です。
経験が浅かベテランかは関係ありません。
通関業者は他者の依頼によって通関申告を行います。
もしも間違いを起こしたら荷主に思いっきり迷惑をかけます。
例えば申告価格の計算を間違い納税額に間違いがあったとします。
納付額がミスによって本来より少額であれば脱税になってしまいます。
恐ろしいですね。
間違いの内容によっては一番最悪な場合通関業の業務停止命令が下されてしまう可能性もあります。
人間のやることなので100%ミスなくやることは不可能です。2、3人チェック体制をとっている通関業者も少なくはないでしょう。
細かい上にミスの許されない緊張感に気持ちを疲弊させられて「もう嫌」となってしまいます。

細かい仕事は通関士として通関業者で働く上では避けて通れないことです。
これが辞めたい最大の理由であれば通関士としての知識と経験を活かして
商社やメーカー等に転職する道を考えてみてもいいかもしれません。
日本の輸出入量は年々増えており貿易関連の仕事をしている会社もたくさんあります。
通関士の資格だけでなく実務経験があることは転職にとても有利に働きます。
理由② 仕事量の増加に人員が追いつかない
(忙しい→仕事増えてく→人やめる→さらに増える→トラブル発生→さらにさらに仕事増える)
貿易関連の仕事は増加しているのにもかかわらず通関士の数は追いついていません。

一人一人の業務量が増えていることに加え、
通関士は一人前になるまでに時間がかかります。
基本的なことだけであれば数年でできるようになるでしょうが何と言ってもよくわからないトラブルがよく起きます。
トラブルをある程度一人で対処できる力があって一人前と言えると感じます。依頼してくる荷主も貿易に関してよく理解していて仕事を進めやすい依頼主もいれば貿易関連に詳しくない荷主もいます。
荷主に対してもうまく対応して仕事を進めることができる腕を持つ必要があります。
実際と教科書は違うと言いますが通関士の仕事もこれほどまでに違うか!?ということの連続です。
(だからと言って通関士試験が意味のないということでは決してありません。)

ある程度ベテランになれば新人を教えながら自分の仕事も行わなければなりません。
仕事は増える一方ですね。
仕事が多すぎて体調が持たなくなってしまっては元も子もありません。
通関業者はどこへいっても忙しさにあまり変わりはないでしょう。それでも通関士の仕事以外自体は嫌いではないと感じるのであれば少しでも良い職場環境を探すしかありません。
忙しい業界とはいえ100ある会社全てが今と同じ会社ではありません。
通関士だけに限りませんがトラブル対応ができ、ミスを犯してはならないほどの仕事をしつつ新人教育をしたことがある経験は今後仕事をしていく上で大変役に立ちます。
苦しかったかもしれませんが一つも自分のためになっていないことなど無いのです。
万が一心身の不調をきたすようであれば無理は絶対に禁物です。
理由③ 人間関係
常に忙しい仕事だけあり職場によってはみんながみんなイライラしていることも…。
繁忙期はより一層毎日時間に追われている感覚でしょう。
イライラの空気が原因で人間関係がうまくいかなくなることもあります。人間関係こじれなくてもピリピリした空気がもう無理ということも。

重複しますが100ある会社が全て同じ会社ではありません。
少しでも今より良い環境の職場もないとは限りません。
1日のうち家族よりも多い時間を一緒に過ごす職場です。
職場の雰囲気に気を配っている会社もあります。
自分が辛い状況にいるとつい視野が狭くなってしまい「どこへいっても同じに違いない、解決できない」とネガティブになってしまいがちです。
人間関係に関しては自分だけが頑張ったところで限界があります。
通関士という仕事は貿易には欠かせない仕事ですし細かくて地道な仕事ではありますがプロフェッショナルな仕事です。
仕事内容自体が嫌いでなけでば手放してしまうのも勿体無いと感じます。
なんとか気持ちをフラットに保つようにはしていますが。。。
理由④ 勤務地に何もなさすぎ
通関士は通関業を営む会社に属して働きますが、
通関業者は空港の近くや港の近くに事務所を構えていることが多いです。
昔は書類提出のために税関に足を運ぶことが多かったため税関の近くの方が便利でした。
外国から来た貨物にとっての入り口である
空港や港に貨物を保管する保税倉庫というものがありますが、
貨物が税関検査などに該当した時に通関業者が立ちあう必要もあり事務所が近い方が何かと都合が良いのです。
(厳密にいうと荷主が立会いますが委託された通関業者が立ち会うことが多いです)
会社、飛行機、倉庫、船、コンテナ、運送便、道路、信号以外何かあるのか?というくらい
何もありません。

なんもねー!!
「ファミマとファミマ」っていう回答だったわ・・・。
僕は比較的周りに店があるようなエリアで働いているのであまり気にしたことなかったですが。
安易と思われそうですが平日日中の中で何が楽しみかと言われれば「ランチタイム」だったりしませんか?
忙しすぎて昼なしになるときも多々ありますが
やはり朝一から働いて頭使いお昼にはエネルギーと息抜きを欲します。
今日もコンビニ、明日もコンビニ、明後日もコンビニ。
毎日たべれられるものではありません。(食べざるを得ないのだけど)
食に対して興味がない、お腹がいっぱいになればいいという人はむしろ向いているかもしれません。
(私どっちかっていうとそのタイプ)
今の時代転職は以前に比べしやすくなりました。
とは言え会社を辞めると決め、転職活動し、やめる前に引き継ぎをし、新しい会社で働き始めるには一時的ではあれそれなりに大変な状況になります。
それでも前にちゃんと進めるためにはきちんと考えて納得して決断することです。
「もう、無理」って思ったら一呼吸。
自分を俯瞰してみましょう。
自分自身をどうしても冷静に見ることができないのであれば友人に相談してみる、
あるいは転職エージェントに相談だけでもしてみるのも良いでしょう。
転職のプロはきちんと話を聞いて、今の状況で転職すべきかそうでないかをアドバイスしてくれます。(もし何を言ってもすぐに「転職しましょう!それしかありません」なんていうエージェントに出くわしてしまったら注意!!自分が転職するかどうか迷っているなら流されないように)
また転職エージェントなど「友人ではない誰かに相談する」ということは今の自分の状況を口に出して説明することになります。
今まで自分自身を冷静に見れなかったのが「人に伝える」という行為をするためどうやったらうまく伝えられるか頭の中で整理します。
そうすると今の自分の状況がだんだんとクリアに見えてきます。

「やめたい!くそー」と思っていたところからだいぶ冷静に自分を見れそうになってきましたか?
大事な自分の人生のためです。じっくりと考えましょう!

