貿易事務

ARRIVAL NOTICEとはどんな書類?

こんにちは
有坂です。

貨物を輸出入する際には主に船便と航空便の2通りがあります。
航空便はヨーロッパや米国からなどでも1日、途中乗り継ぎしても2日くらいで着くので
とてもスピーディーですがやはり価格が高価であることと積載可能数量があまり多くないため船での輸送が中心とされています。

船で貨物を輸入する際、到着する1、2日前、最近船社によっては3日くらい前に
ARRIVAL NOTICE(アライバルノーティス) というものが発行されます。

今回はこのARRIVAL NOTICEについてお話ししていきます。

ARRIVAL NOTICEは貨物到着案内のこと

ARRIVAL NOTICEは貨物の到着を知らせる船会社が発行する到着案内書です。

*イメージ図(ARRIVAL NOTICE上部分)

先ほど貨物到着の1、2日前になると行されると書きましたが、
厳密にいうとBLの「NORTIFY PARTY(通知先)」に記載されたところにFAXもしくはメールで届きます。

NORTIFY PARTY(通知先)にCONSIGNEEではなくフォワーダーの社名などをいれておくとフォワーダーに到着することになります。

有坂:大体はNORTIFY PARTYにsame as consigneeもしくは輸入者の社名が記載されることが多いと思いますが、取引案件によってはNORTIFY PARTY(通知先)をフォワーダーにしておいたほうがスムーズに進められる案件もあります。

また「FAX!?」と思いになった方もいらっしゃるかと思います。このご時世に?と。
貿易業界はまだまだレトロな部分が多いです(苦笑)
でもここ数年ホームページからダウンロードが可能な船社も増えてきました。

これはとても便利です。
もしも入船近くになってもアップロードされてなければ電話やメールで問い合わせる必要はやはり出ていますが毎回ではありません。

またWEBからのダウンロードであればそのままPDF形式でメールなどでフォワーダーに転送が可能です。
いちいちFAXを受け取ってまたスキャンして、またはフォワーダーにFAXして…なんてことやるよりかなり手間と時間が省けます。
受信するFAXを設置しているオフィスにいなければいけないこともありません。

早くいろんな船社で導入してもらいたいですね。

ARRIVAL NOTICEは請求書でもある

ARRIVAL NOTICEをよく見てみると金額が記載されています。
ARRIVAL NOTICEは到着案内だけでなく請求書の機能も持ち合わせています。

そしてARRIVAL NOTICEは何を請求しているかというと
日本の港でかかる諸経費を請求しています。

ARRIVAL NOTICEの下部分を見ると

THC,CHC,D/O FEE,DOC FEE, BAF ,CFS CHARGE,などが記載されています。

イメージ図(ARRIVAL NOTICE下部分)

THC…ターミナルハンドリングチャージ
ターミナルの中でかかる費用です。
ガントリー・クレーンでコンテナを本船から降ろしたり
コンテナを移動したり、税関に届け出などする作業にかかってくる費用です。

 

CHC /ECHC…コンテナハンドリングチャージ/エンプティーコンテナハンドリングチャージ
空のコンテナの取り扱いにかかる費用です。

 

D/O FEE,DOC FEE…デリバリーオーダーフィー ドキュメントフィー
貨物を引き取るために必要なデリバリーオーダーを発行する際の費用です。
ドキュメントフィーはBLやアライバルを発行する際の手数料です。

 

BAF …バンカーアジャストメントファクター
燃料価格の変動に対して割増もしくは割引される料金です。

 

CFS CHARGE…コンテナフレイとステーションチャージ
混載貨物をコンテナかコンテナフレートステーションで取り出したり、荷捌きするときの費用です。

 

などが記載されています。
これらの諸経費の支払いが確認できないと貨物を引き取ることができません。

ほとんどの輸出入を行なっている企業は通関業務をフォワーダーに依頼していると思います。
このARRIVAL NOTICEの諸経費もフォワーダーが立て替え、そして通関処理を進めることになるので入手したら内容を確認し、すぐにフォワーダーに渡しましょう。

ARRIVAL NOTICEが手元に来た時に確認すること

品名、数量、等がBLや他の船積み書類と違っていないか

ARRIVAL NOTICEが手元に来たら他の船積書類と内容が一致しているか確認しましょう。
頻繁にあるわけではないですが他の船積書類と品名が異なる、数量が異なるといったことがあることがあります。

もしも記載違いに気づいたらARRIVAL NOTICEを発行している輸入地の船会社(もしくは代理店)に連絡して内容を訂正してもらいましょう。
すでに入手済みのBLをバーチャーとして添えると船会社にもスムーズに伝わります。

記載された到着日に必ず到着するとは限らない

ARRIVAL NOTICEは入船の通知を事前にするものですがETAなのであくまで入船「予定」です。
そのため記載されている入船日から遅延したり、逆に早まったりと、日程が変わることはよくあることです。

経験上、正確さでいうと

ヤードの情報>船会社のHP >ARRIVAL NOTICE

の順です。
天候や途中積み替え港の状況次第で簡単にスケジュールの変更は発生します。
台風などで一旦スケジュールが遅れると後続の船にも影響が出ます。

特に急いでいる貨物や、天候が不安定な時期はARRIVAL NOTICEに記載のETAだけでなく
他の手段も用いてスケジュール確認をするようにしましょう。

SURRENDEREDの確認

主にアジア航路で使用が多いBLのサレンダー処理ですが、
輸入地の船会社で確認が取れていればARRIVAL NOTICEにSURRENDEREDの確認が取れていることがわかる記載がしてあります。

船会社により書式が異なるので表示のされ方も異なりますが、
ARRIVAL NOTICEでSURRENDEREDの確認ができない、もしくはフォワーダーからSURRENDEREDの確認が取れないと言われたら輸出者にその旨伝えて確認してもらいましょう。

SURRENDEREDの処理が確認できない時、
輸出地の船会社から輸入地の船会社にSURRENDERED処理の連絡が何らかの理由で伝わってない

ということが大半です。

今回はARRIVAL NOTICEについてお話ししました。
こ参考になれば嬉しいです。