貿易事務

貿易事務とはどんな仕事??

こんにちは、有坂です。

私は今食品メーカーの貿易事務をしているのですが「貿易事務」ってどんなことをやっているのかをお話ししたいと思います。(ここではメーカーや商社で働く貿易事務についてお話しします)

有坂:会社や業界によって違いはありますのでなんとなく「こんなことやってるんだ」と知ってくれたらと思います。

 

飛鳥:貿易事務って仕事自体社会人になるまで聞いたことなかったかも。

貿易事務の仕事とは??

 

メーカーや商社の貿易事務とは
輸出や輸入の仕事を行う部署で働く事務職のことを言います。

 

主に次のような仕事をメインに行います。

 

①書類作成・確認
②商品を輸送するための手続き
③商品を通関するための依頼
④商品輸送のスケジュール管理
会社の規模や部署によってはこのようなことも同じ担当者が行うこともあります。
⑤送金手配・入金処理・関税・消費税の納付
⑥突発的なトラブルへの対応(国内・海外両方あり)

 

などなど。

 

❶ 書類の作成・確認

言葉や文化、商習慣の異なる海外へ商品を輸出したり、輸入する時には数々の手続きと書類が必要です。この輸出入に必要な書類を「船積書類」と言います。

何かを輸出する時は主に書類の作成をすることになります。
商品の品名、数量、重量、金額などが記載された書類や、特定の商品、特定の国にだけ必要な書類などを作成します。
逆に何かを輸入する場合は海外から書類が届きます。

海外から届いた書類を確認して不備がないことを確認した上で手続きを進めることで滞りなく輸入取引をすることができます。

船積書類の中で代表的な書類をいくつかご紹介します。

 

・INVOICE(インボイス)
商品の請求書です。どんな商品がいくつ積まれていて金額が幾らかが書かれています。
輸出者の名前や住所、そして請求書なので銀行情報などが記載されています。

 

・PACKING LIST(パッキングリスト)

商品の梱包明細書です。どんな商品がいくつ積まれていてどのような梱包方法になっているか重量はどのくらいか、などの情報が記載されています。

・B/L (ビーエル) BILL OF LADING
日本語で船荷証券(ふなにしょうけん)と呼ばれる書類です。
輸出入に関する取引でとても重要な書類で貨物受領、貨物引取書、有価証券、運送契約書などの役割を果たす書類です。
有坂:新入社員の頃に先輩に「これはお金と一緒でとても大事な書類よ!万が一紛失したらクビよ!」とめちゃおどされながら教えられたことを覚えてます(苦笑)
本当にクビになるかわからないけど、それくらい大事な書類です。

 

・L/C(エルシー) LETTER OF CREDIT
日本語で信用状と呼ばれています。

輸出入する荷物をどのように売買するかの契約の仕方によって船積書類が輸出者から直接輸入者に届く場合と、一旦銀行を経由する場合とがあります。

この信用状というのは書類が銀行を経由するパターンの契約の場合に銀行に依頼して発行する書類です。細かく説明すると結構複雑なのですが簡単に言うとこういうことです。

 

この他にも取引する商品や国によっては様々な書類が必要となります。
輸出の場合はこれらの書類を作成することが、輸入の場合では海外から送られてくるこれらの書類をチェックし次の手配に取りかかります。

国際間のやりとりのためほとんどが英語です。英語圏以外の国から発行された書類には国母国語のみの記載の他に英語が併記されていることが多いです。

❷ 商品を輸送するための手続き

商品を輸出する場合、その商品が保管されている工場や保管場所から輸出港まで輸送が必要になります。
輸出港までの輸送手配(陸送・内航船)や輸出港から輸出先までの船の手配を業者に依頼します。
輸入の時であれば日本に到着した貨物を取引先の指定する場所まで届けるための配送手配をする必要があります。
商社やメーカーの場合、フォワーダー(乙仲)と言われる業者に依頼することが一般的です。

 

❸ 商品を通関するための依頼

商品を輸出、また輸入する時には税関の許可が必要になります。これを「通関」と言います。
よく「通関が切れた」「通関許可になった」という言い方をします。
荷物が通関が許可のされた状態にならないと
輸出の場合→荷物を日本から出せません。
輸入の場合→荷物を納品先(取引先指定の場所やお店など)に運ぶことができません。
こちらも商社やメーカーの場合はフォワーダー(乙仲)に通関業務を依頼することが一般的です。実際に税関に対して通関手続きを行うのはこのフォワーダー(乙仲)なのですが
私たちは彼らに必要な書類を提出して輸出・輸入通関の依頼をします。

 

❹ 商品輸送のスケジュール管理

商品をいつ出荷してどのようなスケジュールで搬入、通関の依頼をすれば取引先の納入期限に商品を届けられるかといったスケジュール管理をします。

直接海外の担当者とやりとりすることもあります。

 

❺ 送金手配・入金処理・関税・消費税の納付

輸出=海外へ商品を売った場合は入金がありますので入金の確認、処理を行います。
輸入の場合だと商品を買ったことになりますので商品代金を送金する処理があります。
また商品を輸入した場合、商品にかかる関税と消費税を国に収めなくてはなりません。
会社の規模によって会計処理の部門で行う場合もあります。

 

❻ 突発的なトラブルへの対応

天候による船の遅延や書類の不備、書類がなかなか届かない、といった突発的なトラブルに対応することがあります。
取引しているのが海外のため言葉の壁があったり、時間の感覚の違い、時差の関係で連絡可能な時間が限られていたりする中での対応となります。臨機応変さと素早い対応力が必要となります。

 

有坂:貿易事務は勤務する会社や部署によっても扱う商品も様々ですし任される仕事の範囲も様々です!

 

飛鳥:一般的な事務と違っていろんな経験が積めそうですね。そしてやっぱ英語かぁ。

 

貿易事務の仕事がどんなものなのかを簡単ですがお話ししました。いかがでしたでしょうか?
私自身貿易業界のことは会社に入るまであまり知りませんでした。
なんとなく「貿易事務」に興味があるけどどんな存在かよくわからなかったという方に少しでも知っていただけましたら幸いです!