フォワーダー

フォワーダーってどんな仕事?

こんにちは
有坂です。

今回はフォワーダーとはなんぞや、という話をしていきます。
では早速本題に入りましょう。

フォワーダーってどんな仕事?

フォワーダーの仕事内容は幅広く、一言で「これがフォワーダーの仕事!」というのが難しい仕事ですが、端的にいうと輸出入者(メーカーや商社)と、輸送手段を持っている船会社や航空会社の間に入り国際輸送をスムーズに行う仕事をしています。

*フォワーダーと乙仲、海貨業者、NVOCCについてこちらのページで紹介しています。
合わせてどうぞ

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国際間の移動をする貨物を無事に最終目的地まで運ぶには実に様々なステップがあります。そしてフォワーダーは主にこのような仕事をしています。

①貨物の運送

フォワーダーの仕事のメインは輸出入者からの依頼を受けて貨物の国際輸送を行うことです。貨物の輸送手段には主に船舶や航空便を利用しますがメーカーや商社が直接輸送手段を持っている船会社・航空会社に貨物輸送の依頼をすることはほとんどありません。

船会社も航空会社も貨物輸送の依頼を受けるなら小口の依頼ではなく大口の依頼がやはりいいのですがメーカーや商社が貨物輸送を依頼するときは自社で取り扱う貨物のみになります。(よっぽどの大企業なら別かもしれませんが)

例として一度に20トン商品を運べるところに10トン分の商品しか輸送依頼をしなかったとします。
そうなるとスペースが余ってしまう船会社・航空会社としては10トンだけしかなくても20トン分の値段で請求してきます。
もし10トン分だけの価格しか請求しなかったら船会社や航空会社は赤字になってしまいます。しかしそうなると輸送を依頼したメーカーや商社は10トンだけ運ぶためにより高いお金を支払うことになってしまいます。

ここでフォワーダーの出番です。

フォワーダーは船会社や航空会社と大口契約・交渉をします。
例えば船会社や航空会社と1000トン分運ぶ契約をしたとします。
その後は様々なメーカーや商社の依頼を受け貨物を集めます。

フォワーダーは船会社や航空会社から買ったスペースを荷主に必要部だけ再販売するのです。こうすることで荷主側も余分な代金を支払わなくて済みますし、実輸送人である船会社や航空会社も無駄にスペースを空けたまま運送することがなくなります。

②荷主に対して最適なプランを提供してくれる

国際間の輸送をどのようにしたら一番効率よくかつ確実に貨物を目的地まで到着させられるかを荷主に提供してくれます。

また自社で全てやろうと思ったら実運送者である船会社や航空会社にも見積もりを取らなければなりませんし、倉庫から港の運送に関してやコンテナの手配まで全て行わなくてはならないこともフォワーダーに依頼すれば全て手配してくれます。

手間がはぶけ効率の良い運送方法が期待できるだけでなく、コスト面に関しても荷主がダイレクトに手配をかけるよりフォワーダーを1社かました方が結果的にコスト削減につながることも多々あります。必ずしも中抜きすることだけがいいわけではないんですね。

フォワーダーには会社によって「○○方面の航路に強い」「食品系(リーファー扱い)に特化」等々の特徴があります。
強みとしているだけありその分野においては実運送人等との価格交渉を荷主独自で行うより有利に働いている場合があるのです。

③輸出入間手続きをしてくれる

フォワーダーの業務は多岐にわたり、本来貨物の運送をメインとしてますが昨今では通関業を担っている業者も多くなってきています。もちろん輸出入申告も荷主自身が行おうと思ってできないことはないですが専門知識が必要になってくる領域です。

自社に通関分が設けられていないメーカーや商社などは通関業者、フォワーダーに委託する方が業務をスムーズに行えます。
貨物運送と通関に関しての問い合わせが一箇所であることは作業効率につながりますし②と同様個別で手配するよりもコスト面も安く済むことも多いです。

有坂:荷主にとってフォワーダーは頼もしいビジネスパートナーです!

フォワーダーに英語力は必要か

フォワーダーは勤める会社、配属する部署によって英語の使用頻度は変わってきます。
海外の代理店等々とやり取りの多い部署であればそれなりに英語の使用を求められるでしょう。

通関関系や主に国内での起こる業務に携わる場合はあまり高い英語力を必要としなくても問題ない場合もあります。

取り扱う書類等々は英語で記載されている書類も扱うため全く英語を必要としないことはありません。しかし貿易の書類は決まった単語さえ覚えてしまえば書類の内容を理解することは可能です。

メーカーや商社同様、直接海外とのやりとりがなければさほど高い英語力長くても心配する必要はありません。

フォワーダーを経験すると貿易の知識と経験が一気に身につく!

フォワーダーは勤める会社によって得意分野や特徴があるので「どういったことに特化したフォワーダーで働くか」で身につく知識と経験も変わっていますが「フォワーダー」自体が貿易の仕事に関して幅広い業務を担っていますので国際貿易について知識と経験を積みたい場合はフォワーダーという仕事を選択するのも良いでしょう。

ただし昨今働き方改革等が世間で叫ばれてはいるもののフォワーダーはどちらかというと忙しい職種です。
日本の輸出入件数の増加、加えて人手不足と専門知識を要する仕事であるため一人当たりの受け持つ仕事量が増加する傾向にあります。しかし反対に今の生活には欠かせない輸出入品の運送に関わり国際間のやり取りもある仕事でとてもやりがいのある仕事でもあります。

有坂:フォワーダー についてどんな仕事をしているのかお話ししてきました。

貿易業界には欠かせない、幅広い業務を担っているフォワーダー。

もしかしたら今までこの言葉自体を聞いたことなかった人もいるかもしれませんが私たちの身の回りに多くの輸入品が手に取れるようにあるのも彼らの活躍もあってこそです。フォワーダーというなかなか聞きなれない仕事を少しでも知ってもらえたら嬉しいです!