貿易事務

貿易事務のやりがいとは!?

こんにちは
有坂です。

今日は貿易事務の「やりがい」についてです。

飛鳥:私今までずっといわゆるふっつーの一般事務職として働いてきていて、
社内の庶務的な仕事の何でも屋というか、超雑用的なことからデータ入力、書類ファイリングとかやっているのですが。。。
周りの友人や同期の子達が「やりがい」がどうこうとか話してると本当に黙ってしまうんですよね。
「この業務は本当に達成感がある!」みたいのが全くなくて。

これずっと続けてくのかなって思うとちょっとなぁとも思ってしまうのが本音です。
有坂さん、貿易事務の仕事をしていてやりがい感じますか?

有坂:そうだね、「あーもぉー!!」って思うことの方が圧倒的に多いけど「よかったね、やったね〜」って営業さんとやったぜ感を感じる時もあるよ。

事務職とはいえ専門知識が必要で海外の取引先、フォワーダー、船会社、その他公的機関、社内の関連部署などなど…様々な人たちと接する機会も多い貿易事務の仕事。

同じ事務系でもこれまで全く違う業務をしていたら未経験の仕事に関して環境が違いすぎて「仕事内容はどうなのか」とか「やっぱ忙しいのかな」といったことに目が行きがちだと思います。
仕事の時間って1日の中で大半を占めているものです。
もちろん生活していくために仕事は必要ですが、「やりがい」があってこそやっていけますよね?
感じ方は人それぞれかもしれませんが、貿易事務の仕事はどんなところにやりがいを感じられるのかお伝えしていきたいと思います。

トラブルの処理がうまくいって納期に間に合わせられる

しょっぱなからこんなこと言うのもですが貿易の仕事はとにかくトラブルに見舞われます。

その原因が相手国の事情であったり、国民性の違いといったものから、天候不良による遅延、貨物破損、保税倉庫(輸出入貨物を保管しておくところ)に荷物が入らない、10年やっててこんなこと初めてだよっ!て言う内容のものも。。。

「この場合はどうしたらいい、こうすれば良いのではないか、ここに相談すれば少し早く処理をしてくれるのでは!!!??」
ありとあらゆる知識と経験を総動員させて結果貨物が無事に納期ギリギリで間に合った時は「ふぁ〜…よかった。。」と思わず力の抜けた声で発してしまうことも。その時になって随分と肩に力が入っていたことにも気づきます。

中にはどうしても間に合わずお客様に延着の申し出をしなければならないこともあります。
(こういったことは主に正社員や営業担当者が担うことが多いのですが)

時と場合によってはそれでもなんとか許してくれる取引先もいますが、契約内容や遅延の理由によっては売価保証という話になってしまうこともあります。そのためトラブルがあってもなんとか乗り越え納品できた時はやりがいを感じる瞬間です。

超急ぎの仕事がいろんな人たちの協力があって無事に納期に間に合った時

「トラブルの処理〜」と密接に関わってくる部分ですが、貿易の仕事は本当に1件終わるまでにさまざな人たちが関わります。

大きな企業であれば部署が細分化されていますから実際に海外取引先とやりとりして書類等を扱う部署と保険会社に付保依頼をする部署、海外取引先に商品代を外国送金する、LC決済(信用状取引)する部署等々、社内だけでも他部署との関わりを多く持ちます。そのほか船会社や倉庫やフォワーダー(乙仲)、運送会社とは必ず関わります。

ずっと仕事を続けていくと同じ担当者たちと接することが多くなり仕事を通じて仲良くなったり、そしてお互いに仕事を協力しあったりということになるのでコミュニケーションは本当に大事です。

急ぎの案件などピンチの時ほど周りの協力が必要不可欠です。
連携がうまいこと言って無事に通関が切れて納品に間に合わせられた時、自社の人間だけでなく乙仲業者や倉庫業者と「間に合って本当よかった」と話し合える時はこの仕事にやりがいがあるなと思えます。

有坂:某CMの世の中は誰かの仕事でできている、ってまさにあんな感じです。
誰かの仕事が次の誰かにつながっているが実感しやすい仕事です。

営業担当者と一緒に目標を達成していく時

貿易事務の仕事は務める企業にもよって任される範囲が異なります。

しかし事務職であるので大体の会社では予算をもったり営業活動したり買い付け先や売り先に国内外の出張等に出向くことはほとんどないと思います。そう言った仕事は正社員の営業担当者が行うことがほとんどです。その営業担当者が決めてきた仕事によって商品の生産が入り、船や飛行機に乗って輸入・輸出されます。

そのため所によっては貿易事務でも営業事務のように営業担当者と常に連携を取り共に仕事を進めていくポジションとして働くこともあります。

時にちょっと言い合いになったり、一緒に悩んだり、どういう解決先が一番いいのか一緒に模索したり。

1件の仕事を終えるまでに様々な人たちと関わる貿易の仕事ですが一番関わるのは自分の受け持つ商品の営業担当者といってもいいかもしれません。
ここのコミュニケーション不足は一歩間違えれば納期遅れにつながったり売上等の数字にも影響が出てきてしまいます。

特に予算を持つ機会がほぼない事務職は会社のお金となると実感が薄れてきてしまいがちです。コンテナ1本分の価格は商品によっても異なりますが何百万、何千万、何億となることもあるのです。こう考えて見るとコミュニケーション不足が故のミスはなんとしても避けたいところです。

こうして連携がうまくいけば営業担当者は本業の営業活動に専念できますし、貿易事務担当者もどの貨物から優先順位つけて納期に間に合わせられるよう処理すれば良いかに専念できます。月末や四半期時の売上や営業利益が順調にいった時一緒に喜びを分かち合えます。

有坂:なので営業担当者や上司がブレッブレだと貿易事務担当者はじめ関連する人たちがどう動けばいいかわからないので本当に困ってしまうのですが。。。

一方でベテラン貿易事務担当者などは駆け出しの営業担当者に貿易流れを教えつつパートナーとして仕事を進めていくこともあります。
そんな新人がだんだん貿易のことも理解し始め営業活動も上向きになり数字が出せるようになってくるとその成長を見ることでやりがいを感じるみたいです。まるで親の気持ちですね。

自分が関わった商品をお店で目にした時、その商品を見た一般消費者が喜んでいる時

主に輸入の仕事をしていると実感することができることですが
自分が担当している商品が無事に日本に到着して通関が切れて国内を流通してお店にその商品が並んだ時、ちゃんと仕事をしたからこそここに今陳列されているのだなと実感します。

普段仕事帰りや休日に買い物をしている時はそんな風に思うことって普通であればあまりないですよね。
今の時代、お店に行けばモノがあるのが当たり前であって、その背景を深く考えることはあるでしょうか?

でも誰かが働いているからその商品は当たり前のように陳列されているのであって、その仕事に紛れもなく自分も関わっているのです。
その甲斐あって世の中の人々は快適な暮らしができているのです。

「これ美味しんだよね〜」「この服かわいい!」「これ本当に使いやすい!」って他のお客さんの話し声が聞こえると世の中に貢献できてるのかな?自分の仕事って、と思えます。

仕事の結果が身の回りに溢れている貿易事務

事務職というと勤めている会社がなんらかの商品を扱う会社であってもサービスを提供する会社であってもオフィス内に1日中こもっていてデータ入力や書類処理、その他雑多な仕事を行うことがほとんどです。

たまに耳にするのが自分の仕事って本当に人の役に立っているのかな、という声。
学生の頃に接客のアルバイトなどをして直接人と対面して「ありがとう」なんてことを言われたりしていた経験があったらオフィス内でPC画面と書類のみを目にしていく仕事はだんだんと慣れてきた頃に「やりがいあるかな…?」と感じてしまいがちです。

貿易事務職も1日中オフィス内で仕事する点では他の事務職と変わりはありませんが仕事の結果が一歩会社を出れば目の当たりにすることができます。事務職の中では「誰かの為になっている」が可視化しやすい仕事です!

飛鳥:事務職って「やりがい」とちょっとかけ離れている仕事だと今まで感じていました。こんなに目に見えてやりがいを感じられるってなんかいいですね。今の仕事もきっと誰かの役には立っているのかもしれないですけど、やっぱり成果がきちんと見えた方が嬉しいし辛かったこともあったとしても頑張ってよかったなって思えますよね。

仕事に何を求めるかは人それぞれ。

「生活していくためだけのもの」と割り切ることはなんだか…と感じるているならちょっと立ち止まって真剣に考えてみるのもいいかもしれませんよ。