貿易事務

貿易実務検定を取る意味はあるのか??

こんにちは
有坂です。
今回は貿易実務検定についてです。

飛鳥:貿易の仕事をする上では受けた方がいいの?というか受けなきゃ行けないの?となんとなくこの「貿易実務検定」という存在がちょっと気になっています。

有坂:結論から言うと貿易実務検定の資格を保有していなくても貿易事務の仕事は十分に出来ます。でもせっかく気になっているのなら今回は貿易実務検定がどんなものなのかご紹介したいと思います。

貿易実務検定とは

*この記事は2019年8月時点のものです。試験内容や受験料については最新の情報をご確認ください。

貿易実務検定とは日本貿易実務検定協会が実施している検定で,貿易実務の能力・知識を客観的に測る検定です。
レベルが3段階に分かれており、初級者対象のC級(実務経験1年〜3年)、中堅レベルのB級(実務経験1年〜3年以上)、上級レベルのA級(実務経験3、4年以上)となっています。

C級
・貿易に関する基礎知識が備わっているかを証明するレベル。
・独学でも十分合格している人が多い
・年に5回検定試験が行われている
・科目は貿易実務と基礎的な貿易実務英語
・受験料5,980円

B級
・貿易実務をやって数年、中堅層を対象としたレベル。
・独学でも大丈夫だが中堅層向けだけあり、それなりに英語力と貿易実務経験がなければ独学での合格は難しい。
・年に3回検定試験が行われている
・科目は貿易実務と貿易マーケティングと貿易実務英語
C級と出題科目は同じようなものの難易度は格段に上がっています。
・受講料7,150円

A級
・貿易実務を行なって3、4年以上。判断業務を行える力があることを証明するレベル。
・独学ではかなり難しいです。(2015年に「準A級」が廃止されてからA級の内容がリニューアルされています)
・年に2回検定試験が行われている
・科目は貿易実務と貿易マーケティングと貿易実務英語
B級では基礎的な内容で出題されていたことがA級ではより実践的な内容となっています。
またC級B級と異なり「事例式」という問題が出題されます。事例式とは具体的な事例が出され、今までの知識を駆使して取るべき対応を回答するというもので選択式と記述式での出題です。
・受験料12,343円

貿易実務検定の勉強の仕方

貿易実務検定の勉強方法としては「独学」「通信教育」「通学」があります。
それぞれメリット・デメリットがあります。

独学の最大のメリットはコストがかからないこと。
そして最大のデメリットは勉強中わからないことの解説やちょっとしたアドバイスを受けることができないこと。

参考書の内容だけで理解できる自信があればコスパの良い、いつでもどこでもできる独学も良いでしょう。
C級であれば独学での合格率も高いです。

通信教育の場合は教科書の他にもDVDや配信されているネット動画などもあり、わからないことをメールで質問できるようフォローをしている講座もあります。通学のように時間と場所を取られることなく自分のペースで勉強できつつ、かつ独学よりサポートがあるので効率よく取り組めます。

通学する時間を割いてでもいいので直接講義を聞いて、その場で直接質問してきちんと理解を深めたい、またどうも一人での学習は長続きしない、だらけてしまう、という人は通学が一番です。独学、通信教育に比べてそれなりの受講費はかかってしまいますが強制力の強い通学は合格への大きな近道です。特にA級は難易度も高く年間での試験実施回数も少ないため通学で対策するのが一番でしょう。

貿易実務検定は取る意味があるのか

貿易実務検定は通関士とは異なり国家資格ではありません。
そのため人によっては取る意味があるのかと言われる方もいらっしゃいます。
どんな仕事でも言えることではありますが一番大事なのは実践で活きる知識と実務能力です。

どんなに机上で成績が良くても実践ができなければ意味はありません。
しかし第三者が見て「この人はある程度貿易の仕事ができるだろう」という判断はどこでするでしょうか。

例えば転職の際、今までの会社で行ってきた仕事内容を提示することでももちろん伝わりますが、履歴書に貿易実務の能力・知識を客観的に測る検定貿易実務検定の◯◯級取得との記載があれば相手にもそれだけの実力があるということを伝えやすくなります。
貿易事務未経験で転職を試みる場合も初級であるC級を取得して少しでも意欲的であることを伝えることができます。

また実務経験をずっとしてきた方も検定を受けてみて自分の実力を認識できますし、欠けていた知識を見つけることもできます。
自分を客観的に見つめスキルアップにつなげることができます。

飛鳥:確かにどんな仕事でも現場でできるかできないかが鍵だけど、同時に知識を蓄えるという意味で勉強も大事ですよね。
学生の時は勉強は本当に好きじゃなかったけど、仕事に関わる=自分の人生に関わるからなんか挑戦したい気になるのが不思議です。。。
もうちょっとどんな検定なのか調べてみて挑戦するか決めようと思います。

勉強をするにも検定試験を受けるにも時間と費用が発生します。
この検定を受けなくても仕事はできますが受けてみることでまた違った視点で自分の実力、自分の仕事について考えてみることができるようになりますので少しでも興味があるならチャレンジをしてみることをお勧めします!