貿易事務

テレワーク未経験貿易事務がテレワークをした感想

こんにちは、有坂です。

 

現在コロナの影響で仕事がテレワーク(リモートワーク)に移行された方多いでしょうか。

 

早い会社では海外で大流行し始めた2月3月中ばくらいからテレワークを実施していたのではないかと思います。
私が勤めている会社では春先からテレワークで仕事をするようになりました。

 

私が勤務している会社は今までにテレワークを実施した事がなく今回の事態に対応すべく急遽対応を迫られた状況でした。
ノートPCは一部の人が利用する分しかなく追加購入を大量にしなければならないというところからのスタート。

 

そんなテレワークを強制的に導入した緊急事態宣言から約1ヶ月半ちょっと。
緊急事態宣言解除の報道が出ました。

 

今となってはだいぶ慣れたテレワークという働き方。
今後勤める会社が完全に通常通りに戻すのか、テレワークを取り入れた働きかたを続けるかはわかりませんが

 

貿易事務、テレワークで9割仕事できると感じました。

 

もちろん、テレワークでスムーズに働く事ができるよう設備環境を整えたり必要なアプリケーションを用意する準備は必要になります。

 

しかしメールやエクセル、電話、LINEなどだけでも工夫次第である程度仕事を進める事ができる!
と感じた1ヶ月半だったなと感じています。

 

今回実際にテレワークをしてみて9割仕事出来ると思った理由をシェアしたいと思います。

 

貿易事務はPCがあれば大体の仕事は可能

 

私は食品メーカーで貿易事務として働いています。
貿易事務の仕事のメインは輸出入貨物の書類の確認、作成です。

 

普段会社にいる時にどんな仕事を、どのように処理していたかを書き出すとこのような感じになります。

 

・海外取引先との船積書類のやり取り→メール(PDF添付)

・船積書類をフォワーダーや保税倉庫、社内関係部署へ連絡→メール(PDF添付)

・輸出入貨物の詳細管理→社内システム(システムで対応不可の部分はエクセル等使用)

・輸出入貨物のスケジュール管理→outlookのスケジュール表

・書類の作成→社内システム(システムで対応不可の部分はエクセルやワードを使用)

・arrival noticeをwebからダウンロードする、もしくはfaxで入手。

・コンテナに商品にダメージがあったとかの連絡→メール(画像添付)

・関連する人にたまに電話(内線)かける。もしくはかかってくる。

・同僚とちょっとした疑問点や仕事に関する話をする。たまに雑談。

 

ここに書いたのが会社に出社している時の状態です。
最後の方で少し生身の人間との会話の項目がありますが、

 

正直ほぼ人と話していません。
ずっとPC見てます。

 

ではこれがテレワークになってどう変わったでしょうか。

 

・海外取引先との船積書類のやり取り→メール(PDF添付)

・船積書類をフォワーダーや保税倉庫、社内関係部署へ連絡→メール(PDF添付)

・輸出入貨物の詳細管理→社内システム(システムで対応不可の部分はエクセル等使用)

・輸出入貨物のスケジュール管理→outlookのスケジュール表

・書類の作成→社内システム(システムで対応不可の部分はエクセルやワードを使用)

・arrival noticeをwebからダウンロードする、もしくはfaxで入手。→受信faxをPDFに変換し社内サーバーに落ちるよう設定変更&船社にメールで連絡してもらうよう交渉する。

・コンテナに商品にダメージがあったとかの連絡→メール(画像添付)

・関連する人に本当に急ぎの案件の場合はLINEで電話かける。もしくはかかってくる。

同僚とちょっとした疑問点や仕事に関する話をする。たまに雑談。→たまにLINEする。

 

どうでしょうか。

 

ほぼ変わってない、ですね。

 

変化のあった箇所はfaxでの対応と、直接人と話していた部分が極端に減ったというところです。(そもそもfaxというのが現代的ではないのですが)

もともと会社に行って働いている時からそこまで仕事中に話す方ではなかったことも、
変化が少ないと感じた要因かもしれません。

 

ほとんどのことは電話や直接話さなくても解決できたり、先に進められる事が多いのだな、ということに改めて気づかされました。

 

私は会社から、会社で使用しているPCとほぼ同じ事が利用可能に設定されたノートPCを与えられたので社内システムも通常通り利用する事が出来ました。
この社内システムが利用できるかどうか、はかなりテレワークで仕事を進める上でのやりやすさに関わってくると思います。

しかし世の中で一般的に使用されている

ワード、エクセル、pdf、メール、あとは会社の許可は必要になりますが
利用できそうなアプリケーションのダウンロードをする、

といった事を駆使することを考えてみる。そしてやってみる。

すると、たとえ社内システムが利用できない状態のPCであっても、ある程度の仕事は対応可能であることに気づきました。
(ただし自身の業務にNACCSを扱う仕事がある場合はNACCSを利用可能な状態にすることは必須にはなります)

実際に商品を見せたり人前でプレゼンテーションを行うことが基本無い貿易事務の仕事。

PC内の設定などが整っていればなんてテレワークがしやすい仕事なのであろう、

と感じた次第です。

貿易事務、テレワークでできないこと

冒頭で貿易事務の仕事はテレワークで「9割はできる」と言いました。

では不可だと感じた残りの1割は一体なんなのか、というと今思い当たるのはこれだけです。

原本が出なければならない書類の取り扱いはできない

 

以上。

 

 

 

と、この一言だけで終わらせてもいいのですが、あまりにも雑なのでもう少し書いていきます。

 

貿易関連の書類の中で必ず原本でないと処理が進まないという事があります。

輸入の場合、代表的なものではBLオリジナル3部発行している貨物に関してはサレンダー処理にしない限り、必ず貨物を引き取る上でBLのオリジナル、原本の入手が必要になります。しかも裏書きも必要です。

そのほか貨物によっては必ずこの書類の原本が申告の際に必須!というものが存在します。

そして会社の仕事で取り扱う船積書類はほぼ100%会社に到着しますね。
輸出で書類を送ると言った場合も同様だと思います。
情報漏洩や紛失等のセキュリティの問題上、個人宅につけるということはよっぽどのことがなければほぼ無いです。

特にBLは有価証券です。そんな危ないことは出来ません。

この通関を切るために必ず原本が必要、と国や国際間で決められているものに関しては直接対応せざるを得ません。

これが残り「1割」の現時点でテレワークで対応できない部分だと感じています。

 

ただ今回のような世界的な問題の場合、そもそも「オリジナルBLで」という契約自体を
臨機応変に変えよう、という話になった取引先もありました。

信頼があることは前提ですがBLをSEA WAY BILLに変更したりです。これであればメールにPDF添付で連絡すればOKです。
わざわざ会社に行って原本を受け取って、裏書きしてまた発送して、、、ということをする必要はありません。

他に必ず原本を必要とする(例えば特恵書類や特定の検査の結果証明書など)がない貨物であればもう問題は解決です。
国際間の書類発送費はかなり高くつきます。
送る地域にもよりますが1回あたり5,000円〜10,000円なんてザラです。経費削減にもなってより良いですね。

 

個人的には必ず原本を必要とする、紙ベースで処理しなければならないものは

国際間で決められているもの、国で決められているもの、などなかなか会社単位で変えることのできない決まりに関してのみ

だと感じています。

 

(ここから少し話が「社内文書について」に少しずれますが読み続けていただけると嬉しいです。)

コロナが流行する以前から社内文書に関しては

・形式的な書類のやり取りはもっと削ることが可能ではないか

・ハンコは本当に必要なのか(電子ハンコ、電子署名ではいけないのか)

・そもそも保存するだけの書類を紙現物で保管しておく必要があるのか

・もっと言えばわざわざ紙に出力しなければならない書類が本当にそんなに多いのか

 

と感じていました。

このあたりに関しては一社員の力だけでは変えていくことが難しいのが事実です。
その企業の風土、長年培われた文化や考え方を変える必要があり、
意思決定をする層に紙を愛する人たちが多めであることも1つの要因です。

とは言うものの、

今は世界中に蔓延しているウイルスと共存しつつもなんとか経済を維持すべく、極力命の危険を晒さない方法を模索しつつ仕事をしていく、ということをしなければなりません。

 

自分一人ではなく身近な同僚たちと結託して、いきなり社長や役員でなくとも
自分の上長や先輩などに

「この仕事の処理、こうしたらテレワークやりやすいかもしれないです」
と言うことを言ってみるのが必要なのではないかと思います。

今は一人一人が考えて行動しなければならない状況に直面しています。
もしいい案が頭に浮かんでいるのに「下っ端だから正直言いづらい」と思っていたらもったいないです。

一般的な企業(特にザ日本企業)では実務を行っている人ほど若手だったりしますが、
実務を行なっているからこそ気づけることが多いです。

また社内の運用の仕方で「こんなことできるのかな?」といったことがあれば、
関わりありそうな部署や詳しそうな人に聞いてみる、もしくはネットなどで検索してみることで解決することは結構あります。

今はものすごく便利な世の中です。
自分が知らないだけで便利なツール、サービスが展開されている(時にはかなり破格で)ことは大いにありますので
「こんな時代だからもしかしたらできるんじゃない?」と思って調べてみてください。

有坂:会社の環境、また自分自身も先進的なことに強くはありませんでしたが今回便利なアプリケーションやサービスがこんなにも出回っているんだ、と同僚と話していました。

 

コロナのような緊急事態の対策だけでなくこれから先、

時代についていくこと、

新しい便利なサービスを自身の仕事にいかに活用させていくかを考えること

は本当に大事だな、
と、昭和の生き残りの私は痛感させられました。

貿易事務、テレワークOKの会社が増えると予想

必ず原本書類が必要な案件があったり、アライバルがいまだにfaxでしか送られてこなかったりする貿易の仕事ですが

書類処理がメインの仕事である貿易事務の仕事は

テレワーク、リモートワーク、在宅勤務といった働き方にとても相性が良いと感じました。

ずっとテレワークで勤務をされてきている方からしたら「何を今更」と思われるかもしれませんが

おそらくこの事態に直面して初めて会社以外での仕事の進め方を真剣に考えた方や企業はとても多いのではないかと思います。

緊急事態宣言が解除されてもコロナウィルスとの戦いは1年、2年の長期戦だと言われていますね。
もはやどのようにウイルスと共存しつつ生きていくかというフェーズに入っています。

そしてもし来年再来年にコロナがひと段落したとても、また新たなウイルスが出てこないとも言えません。
ニュース等で散々言われていますね。

今までは残業の削減や生産性を高める、プライベートとの生活と仕事を効率よくするため、などの理由で、働き方改革をしましょう、24時間働けますか?のような働きかたを見直しましょう、という雰囲気でした。

昭和・平成初期の頃に馬車馬のように働いた若手社員が、今は経営陣・役員だったりして、
なかなか自身の若い時の時代の経験からか、働き方改革というものに難色をあらわにする方も一定数いらっしゃると思います。

しかし今は一筋縄ではいかない、何を考えているのかわからない、肉眼では見えないウイルスというものを相手に、大げさかもしれませんが、
命をかけた働き方改革を真剣に考えていかなければならない段階に、今私たちはいると感じます。
企業側も、私たち働く従業員側も考えを変えていかなければなりません。

今回は私が貿易事務として働いているため貿易事務でテレワークという働きかたについて話してきました。
貿易事務という仕事自体は大方テレワークで対応可能と話しましたが、実際に実施できるかどうかは勤める企業の考え方、取り組み方次第です。

テレワーク以外にも、時差出勤、短時間勤務、週5フルタイムではない出勤などを導入しており、実際に利用されている、
会社規模によっては難しいかもしれませんが、こういった点も重要視して働く場所を考えていくことがこれからは大事になりそうです。

緊急事態宣言は解除されました。
でもこれで全て元どおりになったわけではありません。

解除宣言の波に流されず、今後自分自信がどう生活していきたいか、どう働いていきたいのか、をもう少し考えてみてもいいのかもしれません。

最後の方は広い範囲での「働き方」の話になってしまいしたが、
今回は貿易事務仕事をテレワークで行ってみた感想をお話ししました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何か参考になれば嬉しいです。