通関士

通関士はどこでもできる仕事??

こんにちは
有坂です。

通関士の湊君にはよく「通関士」ってどこでも働き口あるの?と聞かれるそうです。
通関士の国家資格を取得しても通関士としてではなく、貿易関連の仕事をしているメーカーや商社などで活躍している人たちもたくさんいますが「通関業者で働く」とどうなるのか湊君に聞いてみました。

通関士が主に働く場所

通関士は通関業を営む会社に属して働きますが通関業だけを行なっている会社というのはほとんどありません。多くの通関業者は他の事業を行いつつ、通関業も行なっているということが多いのです。

中でも多いのは運送業、倉庫業との兼業です。国際貨物の保管や配送などを行うことにプラスして通関業も展開することで貨物の流通をスムーズにすることができますし、会社としても顧客に対するサービス向上にもつながります。

そして運送業と倉庫業のほとんどは港や空港の近くにあります。
国際貨物の出入り口である港や空港の近くに拠点を置かれていることが多いです。

実際に通関業者に籍を置き勤務する場合の勤務地は港や空港付近と思っておくと良いですが、すこし前に比べて空港や港以外の場所にも事務所が構えられることが多くなってきています。

NACCSというシステムが使用されるようになってからはわざわざ書類を税関に直接提出しに行かなければならないことが減ったため、すこし空港や港から離れたところに事務所を構えることが可能になってきているのですね。

通関業者に勤務する通関士で取引先となるメーカーや商社に駐在するということがあります。(荷主と直接やりとりを行う通関業者の営業担当者ですね)
駐在になる場合は勤務先が駐在先の企業となりますので、会社の多い都心部への勤務となることも多いに考えられます。

湊君:取引先のメーカーなどに駐在することで荷主さんと直接話をして話を進めることができますので電話やメールだけではないメリットもありますね。商品や用途の説明など、場合によっては直に聞くほうがお互いに意思疎通が早い時もあります。

あとは「温度感」。緊急性のある案件などどれだけ急いでいるのかより伝わって来やすいので優先順位もつけやすく仕事もスムーズにこなせますし、人となりがわかるっていうのはすごく仕事がやりやすくなりますね。

有坂:この人は要注意!とかも?

湊君:…まぁ、そうですね 笑

通関士が多く活躍しているところはここ!

平成30年4月1日時点での通関業者数は全国で933社、通関業務を行なっている営業所は2089箇所となっています。
各税関管轄内の営業所数はこの通りです。

税関
営業所数(か所)
函館
101
東京
447
横浜
339
名古屋
224
大阪
350
神戸
300
門司
238
長崎
60
沖縄
30
2,089

(各年4月1日現在)
(9104通関業者の現況(カスタムアンサー)/税関/http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/sonota/9104_jr.htm)

貨物の多く集まる都市部に営業所が多く、中でも東京はダントツ多く営業所が構えられています。
そして企業は都市部に集まっています。通関業者以外のメーカーや商社などの企業で通関士以外の立場で働く場合も同様に働き口は東京・横浜・大阪等大都市部に多く集中する傾向にあると言ってもいいでしょう。(先に話しました駐在する通関士と同じようなことですね)

なかなか地方都市では貿易関係の働き口自体がどうしても都心に比べ少なくなってしまいますが、日本の輸出入取扱件数は増加しています。
東京や大阪などの大都市だけでなく、徐々に地方都市でも貿易関係の仕事は増加してくのではないかと考えられます。

湊君:2019年8月現在ですが、特に東京港に入る貨物の量は増加が著しく、もうパンパンです。コンテナ船などが接岸して貨物を下ろせるようにするにはそれなりの整備が必要ではありますが主要港だけではまかないきれなくなってきているようにも感じます。

簡単な話ではないかもしれませんが、主要港以外の場所にも徐々にシフトしていけばそこでまた働き口ができるかもしれませんね。

通関士として海外で活躍

貿易は国際的な仕事なので日本国内だけでなく海外でも活躍可能な仕事です。

日本と取引のある外国の企業では日本語ネイティブの求人が募集されていることがあります。プラスして英語、もしくは現地の言葉を必須事項とする会社もあります。言語レベルは企業それぞれ基準は異なりますが英語は日常会話ほどのレベルがある方が有利にはなります。

海外で働く場合実務経験をとても重視されます。これは日本人が海外で働く場合だけでなく、現地の人がその国で働く場合も大体実務経験が問われます。
そして仕事内容が細かく複雑な通関士の仕事となればやはり未経験では職につくことは難しいです。もし今日本にいて将来海外で通関士として働きたいと考えているなら日本で実務経験を積むことをお勧めします。

そして海外で働く上で言語の違い、習慣の違い、考え方の違い、等様々なことが日本とは違います。不安を大きく感じているなら日系企業であったり日本人がある程度働いている企業の門を叩くのも良いでしょう。

言語、環境、習慣の違い以外にビザの問題もありますが通関士として海外で働くという選択は不可能ではありません。

湊君:英語があまり得意ではない僕からしたら海外で働くなんてちょっと現実的ではありませんが…。語学堪能な方だったり、語学の勉強を頑張ってするから海外に行きたいという方にはいいかもしれないですね。

あ、ちなみに国家試験の通関士資格はあくまで日本の国家資格なので取得していれば海外で通関士として働けるわけではありません。国によって何をクリアしたらその国で通関士として働けるかは異なるようです。

いかがでしたでしょうか?貿易の仕事の中で重要な「通関業務」を担う仕事は極端に言えば海外でも働けることがわかりました。また東京、大阪などの主要都市であっても通関士として働けるかは求人状況にもよります。

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