通関士

通関士は大変でしかないのか!?やりがいや面白さは??

こんにちは
有坂です。

通関士の仕事は細かくてミスが許されなくて忙しいという話を以前に聞きました。
それでも「通関士歴10年です」とか「なんだかんだで20年経過しちゃいました」とか「結局また通関士に復帰しちゃった」なんてことをおっしゃる方もたまにいらしゃいます。きっと通関士という仕事に対してやりがいを感じているのだと思うのですが「もうしんどい、大変」を上回る「やりがい」って一体どんなことなんでしょうか。

無事に通関が切れて荷主から「助かった、本当にありがとう」言われたとき

通関業者は荷主から通関依頼を受けてはじめて仕事を受けることになります。
通関依頼された案件がそんなに急ぎでないものから「何いってるの無理に決まってるじゃん!(怒)」ばりの通関希望日を言われたり依頼案件の納期は実に様々。

繁忙期にさしかかろうものなら「わんこそばなのか」と言わんばかりの短いスパンで新規案件書類が机の上にポンポン置かれていきます。
急ぎであろうとなかろうと通関を無事きるまでにやらなければいけないことは同じです。昔に比べてオンライン化が進んで早く処理が可能になったことや優良業者のみが行える少しでも早く通関を進められる方法などもありますが、
「今回だけはまじ急ぎだからこの工程ショートカットォォォ!!」なんてことはできません。

そこを荷主のために少しでも早く通関を切ることができるように立ち回る。
最後に「本当に助かりました、ありがとう」と言われると決して派手な仕事ではなくても必要とされていることを実感でき、やりがいを感じることにつながります。

湊君:通関業務って本当派手さはないですよ笑。表舞台に立つような仕事かどうかといわれたら違うかもしれないです。でも貿易関連に関しては必ず必要とする仕事です。なのでメーカーや商社などいわゆる取引先に「納期に間に合った、助かった、ありがとう」とか言ってもらえると確かに「僕役に立ってる」と思うことができますね。

複雑な内容だからこの仕事には欠かせない存在だよね と言われたとき

湊君:これは僕の先輩から聞いた話です。すごく人の良い先輩なんですけどね。そういった性格も滲み出ちゃってますね。

湊君の人の良い先輩:

通関業者の仕事は内容がとても複雑です。
ただでさえ複雑な仕事ですが輸出入する商品の中には通関申告に至るまでにとんでもなくめんどくさい、いやとても複雑なこともあります。

日本の法律ではこの書類が必要、税関からこの書類の内容はどういう意味なのか、検疫所からこまーかいことを指摘され説明したり、文書にて説明の内容を提出しなければいけなかったり。

商社やメーカーの中では自社で通関申告を行なっているところもありますが、なかなか他の仕事と兼任してできるような仕事内容ではありません。万が一申告ミスなどがあっては後々の処理が大変ですので。

よく荷主さんから

「今度新規事業の立ち上げでこんなことをやるんだけど通関関係で気をつけることを教えて欲しい」

「商品が〇〇な状態だったら関税の計算としてはどうなるかな」

「通関士さんの目線から何かもっとこうしたら良くなるのに、と思うことある?」

と相談を受けるときも多々あります。荷主さんのレベルによって説明の仕方も変えなければいけなくその分仕事も増えますが、以前に「●●さんに聞いておいたら絶対大丈夫だから安心して次ステップに取り組める。本当この仕事に欠かせないよ」と言われたことがあり…。

相当プレッシャーに感じる言葉でもあるけれど、とても嬉しかったです。
人にそう言われるとものすごく心に響いいちゃうタイプで。。忙しい・辛いだけの仕事じゃないな、と思えた瞬間です。

有坂:めっちゃ人良さそうですね。こんな通関士さんとお仕事したいです。

税関とのやりとりがうまくいって意見・陳述が受け入れられたとき

法律や決まりごとでダメと決まっていることに関してはもちろんルールに従わなければなりません。

が、時にそういった決まりごとでもないことに関して細かく質問を受けるときがあります。彼らは変なものが国内に輸入、また国外に輸出されないようにしなければいけないのが仕事ですから納得するまで確認してくるのはわからなくはないのですが。

税関に対して意見・陳述できるのは通関士だけです。たとえ弁護士が出てきてもダメです(笑)
そのため荷主さんの貨物関する質問に関してはどういったものなのか、書類に関してはどういうことなのかを説明しなければなりません。

無事に聞き入れられて通関が切れた時はホッとすると同時に、これがきちんと説明できなかったら最悪流通できなかったかもしれないんだな(ちゃんとした商品なのに)と思うととてもやりがいを感じます

なので気づくと自ずと荷主さんの扱う商品についてやたら詳しくなっています。自分が興味関連のある業界の商品とかだとちょっと面白く感じてくるときもあります。

大量の通関依頼を自分のシュミレーション通り問題なく達成できたとき

朝会社に来たらどっさぁ〜と机の上に通関依頼が置かれている…。こういったことは忙し時期にはしょっちゅうあります。(会社によってはメールや社内ネットワーク間でデータのやりとりされていると思いますが)

通関業者は荷主からの依頼の他もちろんですが書類がなければ処理を進めることができません。

おそらく荷主さんとしては「明日朝一からフォワーダーが取りかかれるように」「今日の夜には依頼を出して帰りたい!」といったことを考えきっと前日夕方〜夜に出すのでしょう。多分気を使ってくれているんですよね?(せめてそうだと言って)

しかし本音を言えばこのどっさぁ〜の中のどれかだけでも昨日の夜に少しでも準備ができたらと感じてしまうのです。
とは言えそうは言ってもなかなか思う通りにはいかないもの。であればこの朝対面した書類たちを少しでも自分が思い描いた通りにどうさばいていくかシュミレーションして手を動かしていくしかありません。

その中で突発的に対応しなければならない案件も出て来ますし、提出書類に不備がないかもいつも通り確認しなければなりませんし、もちろん申告間違いなど出せません。
そんな状況でも夕方頃に、その日1日なんとかこなさなければならない分を全て処理できた時は達成感があります。

こうして段取りよくやってしまうとまた仕事が集まって来てしまうし、また書類がドサっと置かれている朝を半日後には迎えるのだろうなと感じるのも確かなのですが。

自分が通関を手がけた商品を街中で目にしたとき

貿易関連の仕事をやっている人は、街中で自分が携わった商品を目にしたときに「自分たちの仕事があって今ここにこの商品があるんだな」と感じたことは1度はないでしょうか?

通関士も同様です。特に荷主から至急通関を切りたいと依頼をうけたものであったり、少し込み入った説明が税関に対してしなければならなかった案件であったりしたらなおさら。

めちゃくちゃめんどくさい仕事だったけど、なんとか通関許可にこぎつけられてよかったなと思います。

食料品でも洋服でも家具家電でも、現代の日本でごく普通の生活をしていく上で本当に数多くの輸入品に囲まれているなと思うのです。

特化したユーザーだけにとかではなく、ほとんどの人に関わる仕事をしているんだなって思うととてもやりがいを感じる仕事です。

湊君:さっき通関の仕事は表舞台で華々しくなるような仕事ではなく、でも貿易関連の仕事をする上では必要な役割なんですと言いましたが、本当に通関できるかどうかで商品が世の中に流れることができるかかどうか変わってきます。

街中で商品を目にしたり、テレビでとある商品が取り上げられてたりして、それが自分の担当した分だったんだなとか思うとちょっと頑張ってよかったなぁと思ったりもしますね。

どんな仕事でも辛いこともあれば「頑張ってよかった!」と思うことありますよね。通関士さんのそれもほんの一握りの感想ですが仕事のやりがいを聞いてみました。何かしら人のためになっていると感じることができるのは嬉しいですよね。

通関士の仕事のやりがいを知りたかった方には参考になれば幸いですし、現役通関士の方で「仕事大変辛い〜」と感じてた方にはあなた自身の仕事の魅力の再発見につながればとても嬉しいです!